不祥事不明公表情報に基づく
【社説】園児への虐待 保育の質を高め再発防げ
福岡県田川市の私立松原保育園 / 福岡県 田川市 ・ 保育園
- 都道府県
- 福岡県
- 市区町村
- 田川市
- 施設種別
- 保育園
- 施設
- 福岡県田川市の私立松原保育園
- 報道日
- 2025年11月17日
- 発生年
- 2025年
- 公表主体
- 西日本新聞me
事案の概要
拡大社説 幼い子どもの健康と安全が何よりも配慮されるべき保育の質が低下していないか。心配になる事案が発覚した。
福岡県田川市の私立松原保育園で保育士10人による園児への虐待が、県と市の指導監査で確認された。
全員で14人いる保育士の大半が関わっていた。園ぐるみとしか言いようがなく、原因究明と再発防止の徹底は当然だ。園と行政は協力し、約90人いる園児全員の心身のケアにも万全を尽くさなければならない。
今年8月、保育士が園児の頬をたたくところを、施設長が防犯カメラで目撃して発覚した。園からの報告を受けた県と市が映像の精査や聞き取り調査を進め、複数の園児に対する虐待行為を確認した。
食べ物を口に詰める、大声での叱責(しっせき)や「頭悪いんか」といった暴言のほか、別の保育士が虐待を目撃しながら放置したケースもあった。
けがはなかったというものの、映像が残る16日間に心理的、身体的な虐待が繰り返されていたことに言葉を失う。子どもの人権を守る意識が園全体で欠落していたとしか言いようがない。
こども家庭庁は2023年、静岡県で起きた園児への暴行事件などを受けて、虐待を防止するためのガイドラインを公表した。どんな行為が虐待や不適切な保育に当たるかを細かく明示している。
日常的に順守し、研修で活用している施設も多い中、松原保育園は国の指針をないがしろにしていたと疑わざるを得ない。施設長ら管理者の責任は極めて重い。
県と市は設置者の社会福祉法人に対し、児童福祉法に基づく改善勧告を出した。今月20日までに、原因の検証や再発防止策を含む改善状況の報告を求めている。
今回の問題を受けて転園する子どもがいる一方、とどまる園児も多い。行政は引き続き厳しく監視すべきだ。
保育の質においては、労働環境など社会的な課題にも目を向けておく必要がある。
待機児童の増加が社会問題となる中、保育政策は、施設で預かる枠を増やす「量」の拡大に重点が置かれた。待機児童の数は今年4月時点で過去最少となり、ピークだった17年の10分の1以下にまで減少した。
園児が増えた一方、現場の人手不足は深刻で、1人の保育士にかかる負担が増している。そのしわ寄せから、虐待や送迎バスでの置き去りが相次ぐなど、安全への配慮がおろそかになっているとの指摘もある。
多忙を極めて精神的にいら立つケースもあるだろう。ゆとりを持って働けるよう、保育士の増員や配置基準の見直しに継続して取り組みたい。
人材確保には待遇の改善も欠かせない。23年の給与は、全産業平均より月5万円も低い。責任の重さに見合った水準になるよう、政府は効果的な手だてを講じてほしい。
出典
- 西日本新聞me
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