いじめ重大事態不明公表情報に基づく
体育会系部活での暴力やいじめ問題、なぜなくならない? 「個人ではなく"孤独の構造"が問題」と専門家
広陵高等学校 / 広島県 ・ 高等学校
- 都道府県
- 広島県
- 施設種別
- 高等学校
- 施設
- 広陵高等学校
- 掲載日
- 2025年9月8日
- 発生年
- 2025年
- 公表主体
- AERA DIGITAL
事案の概要
今夏の高校野球では、広陵高校(広島県)の野球部で起きた暴力問題が、多くの人に驚きをもって受け止められました。高校野球に限らず、部活やスポーツの世界での暴力やいじめは、これまでもたびたび問題になってきました。どうして暴力やいじめが起きるのか、なぜなくならないのかについて、学校やスポーツにおけるメンタルヘルスを研究する東京大学特任講師の小塩靖崇さんがつづります。
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選手たちの心は孤独で揺れている
監督や指導者も孤独や不安に耐えている
沈黙の連鎖で、加害行為が見過ごされる
「狭い世界」に閉じ込められるリスク
ライフスキル不足と「暴力という自己防衛」
大人の責任と役割
選手たちの心は孤独で揺れている
スポーツと暴力が結びつくとき、「一部の生徒の問題だ」「悪い子がいるからだ」といった捉え方をされがちです。けれども、必ずしも個人や学校の資質だけで説明できるものではありません。日本のスポーツの現場に潜む"孤独の構造"に目を向けなければ、同じことが繰り返されるかもしれません。これは、スポーツメンタルケアの研究者としての経験からも、一人の親として子どもたちを見つめる実感からも、強く感じていることです。
部活動やクラブチームは、多くの子どもにとって生活の中心であり、大切な居場所です。けれども、その場に強く依存するほど、健全な成長を促す源であるはずの場所が、かえって「孤独を深める場所」になることもあります。選手たちは「期待に応えたい」という思いと「失敗したらどうしよう」という不安の間で常に揺れています。結果が出なければチームに居場所がないと感じる子も少なくありません。
特に上級生である先輩は、「後輩の手本にならなければ」という重圧を背負い、弱さを含めた自分の心の様子を表に出すことが難しくなります。本当は優しく自分らしく接したいのに、「甘いと思われたら自分が危うくなるのでは」と不安を抱える子もいます。逆に下級生である後輩は、閉塞的な環境で上下関係や同調圧力に縛られ、声を上げづらく、「黙って従うしかない」と孤独を感じる場合も少なくありません。
監督や指導者も孤独や不安に耐えている
監督や指導者もまた孤独を抱えやすい存在です。彼らは勝利に対する期待を背負う一方で、教育的な役割も担っています。「勝たせたい」と「人を育てたい」という二つの責任の間で揺れ、どちらを優先すべきか迷い続けることも少なくないようです。その葛藤を語る場は十分ではなく、孤独の中で判断を迫られると、心身の健康を損なうこともあります(※1)。不安や気分の落ち込み、睡眠の不良といったメンタルヘルス不調が重なると、不健全な対処として指導が厳しさに偏りすぎたり、時に暴力的なかたちで表れてしまったりすることもあると、研究や現場の声からも報告されています。外から見れば強いチームを導いているように見えても、内側では孤独や不調に耐えている指導者の姿が少なくないのです。
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小塩靖崇
東京大学大学院総合文化研究科 スポーツ先端科学連携研究機構(UTSSI)特任講師。三重大学医学部看護…
出典
- AERA DIGITAL
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