その他不明公表情報に基づく
全ての小中学校に「学校作業療法室」 人口2万人余り、飛騨市で始まった挑戦
岐阜県 飛騨市 ・ 中学校
- 都道府県
- 岐阜県
- 市区町村
- 飛騨市
- 施設種別
- 中学校
- 報道日
- 2024年8月18日
- 発生年
- 2024年
- 公表主体
- 中日新聞Web
事案の概要
全ての小中学校に「学校作業療法室」 人口2万人余り、飛騨市で始まった挑戦
2024年8月18日 05時10分 (8月18日 05時10分更新)
心と体のリハビリを専門にする作業療法士(OT)が学校を定期的に訪問し、子どもの学習のつまずきや生きづらさに寄り添う取り組みを岐阜県飛騨市が進めている。全国の自治体などから注目を集めるのは、発達に特性のある子らの個性に合った学びを提供する「学校作業療法室」。少子高齢化と過疎化の進行が著しい小さな自治体が、全国に先駆けて試みる「挑戦」の現場を見た。
学校作業療法室で児童と一緒に課題に取り組む奥津光佳さん(中央)=岐阜県飛騨市神岡小で
5月末、同市神岡小学校の教室を訪ねると、学校のイメージとはかけ離れた光景が広がっていた。NPO法人「はびりす」のOT奥津光佳さん(31)が「顔が『キーッ』となったら、リラックスしようという合図だよ」と語りかけ、横になる男子児童の顔や体をマッサージしていた。
こわばっていた表情はだんだん和らぎ、笑顔で次の授業に向かっていった。「あの子は良くも悪くもパワフルで力が入りすぎてしまう」。奥津さんは、児童の個性を踏まえて意図を説明した。筆者は学校現場に何度も取材で足を運んできたが、集団教育という考えがベースにあり、これほど「個」に寄り添う場面に出合ったことはなかった。
学校作業療法室はモデル校の試行を経て、2023年度に市立全8小中学校で始まった。奥津さんが各校を巡回して月2回ずつ、専用の個室で子どもに対応する。悩みを抱える保護者や教職員にもアドバイスする。
「作戦」立て「壁」を克服
そもそもOTという職業は国内であまり認知されていない。病院や福祉施設で働くケースが一般的だが、米国では学校に常駐し、誰もが必要な支援を受けられる体制が整っている。日本のように支援の必要な子を別室で指導するのではなく、クラス内の交流の中で主体性を伸ばそうという考えだ。子どもたち全体で障害や多様性を考える機会になり、理想的な環境とも言える。
奥津さんが実践するのも、主体性を伸ばすための「CO-OP(コアップ)」という手法だ。子どもが目標を達成するための「作戦」を立て、自ら解決策を考えることで「壁」を乗り越える方法を身に付ける。
筆者は神岡小で実際に、児童が壁を乗り越えた瞬間を目の当たりにした。
ある男子児童が「棒グラフを上手に描けるようになりたい」との目標を立ててチャレンジするが、何度やっても線はゆがみ、マス目からはみ出してしまう。理由が分からない児童は困り果て、筆者もどんな作戦を立てればいいのか見当が付かないでいた。
奥津さんが着目したのは、児童が手にする定規だった。目の動作が苦手という個性を踏まえた上で「目盛りが細かく色も付いた定規が、グラフ用紙を見づらくしている」と見抜いた。「透明な定規に替えてみる」と作戦を立て、うまく描けた後の児童の笑顔は輝いていた。
学習につまずきを抱える子どもたちは年々増えている。文部科学省によると、一部の授業を別の教室で学ぶ「通級指導」の利用者数は21年度、全国の小中学生の1・9%に当たる18万2千人。10年間で2・8倍に膨れ上がり、支援は喫緊の課題となっている。
子どもの全体数は減っており、支援は以前に比…
出典
- 中日新聞Web
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